まさか自分が30代で「ハゲ」という言葉を意識するようになるとは、思ってもみませんでした。きっかけは、会社の同僚に冗談半分で「最近、てっぺん、キテるんじゃない？」と言われたことでした。最初は笑って流していましたが、気になって合わせ鏡で見てみると、確かにつむじ周りの地肌が以前より目立つような気が…。それからというもの、エレベーターの鏡や電車の窓に映る自分の頭頂部が気になって仕方なくなりました。抜け毛も増えた気がして、シャンプーするのが怖くなった時期もありました。インターネットで「30代 ハゲ」「若ハゲ 対策」などと検索しては、様々な情報に一喜一憂する日々。育毛シャンプーや高価な育毛剤も試しましたが、効果は実感できず、ただ時間とお金だけが過ぎていくような感覚でした。「このままどんどんハゲていくのだろうか…」と、本気で悩み、自信を失いかけていました。そんな時、同じように薄毛に悩んでいた友人が、クリニックでAGA治療を受けて改善したという話を聞きました。最初は「病院で薄毛治療なんて…」と抵抗がありましたが、友人の「悩んでるだけじゃ何も変わらないよ」という言葉に背中を押され、思い切ってAGA専門クリニックのカウンセリングを予約しました。診察の結果、やはりAGAが進行しているとのこと。医師からは、内服薬（フィナステリド）と外用薬（ミノキシジル）の併用治療を勧められました。副作用の説明なども丁寧にしていただき、不安はありましたが、ここで治療を始めなければ後悔すると思い、治療を開始することに決めました。毎日欠かさず薬を服用し、外用薬を塗布する。最初は面倒に感じることもありましたが、「これで変われるかもしれない」という期待を胸に続けました。効果を感じ始めたのは、治療開始から半年ほど経った頃です。抜け毛が明らかに減り、髪にコシが出てきたのを感じました。そして1年後、気にしていた頭頂部の地肌の透け感が、かなり改善されていることに気づきました。鏡を見るのが苦痛ではなくなり、以前のように自信を持って人と話せるようになりました。もちろん、完全に元通りになったわけではありませんし、治療費もかかります。でも、あの時勇気を出して一歩を踏み出したことで、悩みから解放され、前向きな気持ちを取り戻すことができました。30代での薄毛はショックでしたが、諦めずに行動すれば道は開けるのだと実感しています。