抜け毛が止まらない…専門医への相談

コロナ感染後、2~3ヶ月経って抜け毛が増え始め、セルフケアを続けながら様子を見ていたけれど、半年以上経っても抜け毛が治まる気配がない、あるいはむしろ薄毛が進行しているように感じる…。そんな場合は、単なる一時的な休止期脱毛症ではない可能性や、回復が遅れている可能性が考えられます。不安を抱えたまま放置せず、専門家である医師に相談することを強くお勧めします。相談先としては、まずは「皮膚科」を受診するのが一般的です。皮膚科医は、頭皮や毛髪に関する専門家であり、脱毛症全般の診断と治療を行うことができます。診察では、まず抜け毛が始まった時期や量、他の症状の有無、コロナ感染時の状況、既往歴、生活習慣などを詳しく聞き取られます。次に、頭皮や髪の状態を視診や触診、そしてマイクロスコープを使って詳細に観察します。これにより、休止期脱毛症なのか、AGA(男性型脱毛症)やFAGA(女性男性型脱毛症)なのか、円形脱毛症なのか、あるいは脂漏性皮膚炎などの頭皮疾患が原因なのかなどを診断します。必要に応じて、血液検査を行い、甲状腺機能や貧血、栄養状態などをチェックすることもあります。原因が特定できれば、それに応じた適切な治療法やアドバイスを受けることができます。休止期脱毛症が長引いている場合は、回復を促すための外用薬(血行促進剤など)や、栄養療法などが検討されることがあります。もしAGAやFAGAが合併している、あるいは主な原因であると診断された場合は、フィナステリドやデュタステリド(主に男性)、ミノキシジルなどの薬物療法が提案されます。円形脱毛症であれば、ステロイド治療などが中心となります。専門医に相談するメリットは、正確な診断に基づいて、医学的根拠のある適切な対処法を知ることができる点です。自己流のケアを続けるよりも、はるかに効果的で安心です。また、医師に相談することで、抜け毛に対する不安やストレスが軽減され、精神的な安定を取り戻せるという側面もあります。抜け毛が長期間続く場合は、放置せずに早めに専門医の診察を受けましょう。原因を特定し、適切な対策を講じることが、健やかな髪を取り戻すための第一歩です。