育毛剤と発毛剤、どちらを選ぶにしても、その効果を期待すると同時に、起こりうる副作用や使用上の注意点についても理解しておくことが大切です。まず、「育毛剤（医薬部外品）」についてです。育毛剤は、医薬品に比べて作用が穏やかであり、重篤な副作用が起こる可能性は低いとされています。しかし、配合されている成分によっては、体質に合わない場合もあります。最も起こりやすいのは、塗布した部分の「皮膚トラブル」です。かゆみ、赤み、発疹、刺激感、かぶれなどが現れることがあります。特に、アルコール（エタノール）が多く含まれている製品は、敏感肌の方には刺激となることがあります。初めて使用する際は、少量から試したり、目立たない部分でパッチテストを行ったりすると安心です。もし、異常を感じた場合は、すぐに使用を中止し、必要であれば皮膚科医に相談しましょう。次に、「発毛剤（医薬品・ミノキシジル配合）」についてです。発毛効果が認められている反面、医薬品であるため副作用のリスクも伴います。外用薬（塗り薬）の場合、育毛剤と同様に、塗布部位の「皮膚症状」（かゆみ、赤み、かぶれ、フケなど）が最も一般的な副作用です。また、使い始めに一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」が起こることがあります。これは多くの場合、ヘアサイクルが改善する過程での一過性の現象ですが、不安な場合は薬剤師に相談しましょう。まれに、「全身性の副作用」が現れる可能性も指摘されています。頭痛、めまい、動悸、胸の痛み、むくみなどです。これらはミノキシジルの血管拡張作用などが影響していると考えられます。特に心臓や血圧に持病がある方は、使用前に必ず医師または薬剤師に相談してください。万が一、これらの症状が現れた場合は、直ちに使用を中止し、医師の診察を受けてください。育毛剤も発毛剤も、効果を最大限に引き出し、安全に使用するためには、「用法・用量を守る」ことが大前提です。多く使えば効果が高まるわけではありません。また、どちらの製品も、効果を実感するまでには「継続使用」が必要です。すぐに結果が出なくても、根気強く続けることが大切です。製品の注意事項をよく読み、正しく理解した上で使用するようにしましょう。