毎日同じ位置で髪をきつく結んでいる、仕事中は常にポニーテールやお団子ヘアにしているという20代女性は多いのではないでしょうか。すっきりとした印象を与え、活動しやすいヘアスタイルですが、実はその習慣が「牽引(けんいん)性脱毛症」という薄毛の原因になっている可能性があります。牽引性脱毛症とは、長期間にわたり髪の毛が一定方向に引っ張られ続けることで、毛根に負担がかかり、血行不良や炎症を起こして抜け毛が増える症状のことです。特に生え際や分け目は引っ張られる力が強くかかりやすいため、この部分から薄くなっていくのが特徴です。「まだ20代だから大丈夫」と思っていても、毎日の積み重ねが頭皮にダメージを与え続け、気づいたときには生え際が後退していたというケースは珍しくありません。ポニーテールが危険な理由は、髪の重さとゴムによる締め付けのダブルパンチが頭皮に襲いかかるからです。特にロングヘアの場合、髪自体の重みがすべて結び目に向かって引っ張られる力として作用します。さらに、崩れないようにときつくゴムで縛ることで、毛根が常に緊張状態になり、栄養を送るための毛細血管が圧迫されてしまいます。これにより、毛根が栄養不足に陥り、髪が細くなったり抜け落ちたりしてしまうのです。バレエダンサーや毎日ひっつめ髪をしている職業の人に多く見られる症状ですが、一般的なオフィスワークや学生でも、毎日同じ髪型を続けていれば発症するリスクは十分にあります。では、牽引性脱毛症を防ぐためにはどうすればよいのでしょうか。最も効果的な対策は、毎日同じ髪型をしないことです。ポニーテールをした翌日は髪を下ろす、結ぶ位置を変える、緩めのシュシュやバナナクリップを使って締め付けを軽減するなど、頭皮への負担を分散させることが重要です。仕事の都合でどうしても結ばなければならない場合は、休憩時間や帰宅後すぐに髪をほどき、頭皮をマッサージして血行を良くする習慣をつけましょう。マッサージは指の腹を使って頭皮全体を優しく揉みほぐすように行い、凝り固まった頭皮を柔らかくしてあげてください。また、分け目を定期的に変えることも大切です。いつも同じ場所で分けていると、その部分の頭皮が紫外線や外気に直接さらされ、乾燥やダメージを受けやすくなります。数ミリずらすだけでも頭皮への負担は大きく変わりますし、根元の立ち上がりも良くなりボリュームアップ効果も期待できます。さらに、洗髪後の濡れた髪はキューティクルが開いており、非常にデリケートな状態です。濡れたままきつく結んでしまうと、乾いた状態よりもさらに大きなダメージを与えることになるため、必ずしっかりと乾かしてからスタイリングするようにしましょう。牽引性脱毛症は、原因となっている物理的な負担を取り除けば、比較的改善しやすいタイプの薄毛です。
ポニーテールが危険な理由と牽引性脱毛症への対策について