隠れ貧血と抜け毛の密接な関係
一般的な健康診断の血液検査では、ヘモグロビンの数値を調べて貧血かどうかを判断しますが、実はヘモグロビンの値が正常でも、体内の鉄分が不足している「隠れ貧血(潜在性鉄欠乏症)」という状態が存在し、これが抜け毛の大きな原因となっていることはあまり知られていません。私たちの体には、財布の中のお金のようなすぐに使える鉄(ヘモグロビン)と、銀行預金のような貯蔵された鉄(フェリチン)の二種類が存在します。鉄分の摂取量が不足すると、体はまず貯蔵鉄であるフェリチンを取り崩してヘモグロビンの量を保とうとするため、初期段階ではヘモグロビンの数値は下がらず、通常の検査では見過ごされてしまうのです。しかし、フェリチンが不足しているということは、体内の鉄分ストックが枯渇している状態であり、髪の毛への鉄分供給はすでにストップしている可能性が高いと言えます。フェリチン値と抜け毛の関係は多くの研究で指摘されており、特に女性の薄毛治療においては、フェリチン値を測定し、適切な数値まで回復させることが治療の必須条件となっているクリニックも増えています。一般的に、健康な髪を維持するためにはフェリチン値が40ng/mL以上、理想的には70ng/mL以上が必要だと言われていますが、多くの日本人女性はこの数値を下回っているのが現状です。もしあなたが、これといった原因が見当たらないのに抜け毛が止まらない、髪にコシがなくなったと感じているなら、一度専門の医療機関でフェリチン値を検査してみることを強くおすすめします。隠れ貧血を解消することは、抜け毛を止めるだけでなく、慢性的な疲労感や肌荒れ、立ちくらみといった不調も改善し、全身の健康レベルを底上げすることにも繋がるのです。