「はげ始め」のサインは、髪の毛の変化だけでなく、「頭皮の状態」にも現れることがあります。頭皮は髪の毛が生える土壌であり、その環境が悪化すると、健康な髪の成長が妨げられ、抜け毛や薄毛につながる可能性があるのです。普段あまり意識しないかもしれませんが、頭皮に以下のようなトラブルが現れていないか、チェックしてみましょう。まず、「フケの増加」です。フケは、頭皮のターンオーバー（新陳代謝）によって剥がれ落ちた古い角質ですが、その量が異常に増えたり、ベタついた大きなフケが出たりする場合は注意が必要です。乾燥によるフケ（パラパラと細かい）と、皮脂の過剰分泌によるフケ（ベタついて塊になりやすい）があり、後者は脂漏性皮膚炎などの頭皮トラブルのサインである可能性があります。「かゆみ」も重要なサインです。頭皮が乾燥していたり、シャンプーのすすぎ残しがあったり、あるいは汗や皮脂によって雑菌が繁殖したりすると、かゆみが生じます。かゆくて頭皮を掻きむしってしまうと、頭皮が傷つき、炎症が悪化して抜け毛の原因となることもあります。慢性的なかゆみがある場合は、何らかのトラブルが起きている可能性があります。「頭皮の赤みや炎症」も要注意です。頭皮が赤くなっている、湿疹ができている、触ると痛いといった場合は、炎症が起きているサインです。シャンプーが合わない、紫外線によるダメージ、アレルギー反応、あるいは皮膚炎などが原因として考えられます。炎症が続くと、毛根にダメージを与え、髪の成長を妨げる可能性があります。「頭皮のベタつきや臭い」が気になる場合も、頭皮環境が悪化しているサインかもしれません。皮脂の過剰分泌や、分泌された皮脂の酸化が原因と考えられます。過剰な皮脂は毛穴を詰まらせ、炎症を引き起こすことがあります。「頭皮の硬さ」もチェックしてみましょう。指で頭皮を動かしたときに、あまり動かない、硬く突っ張った感じがする場合は、血行が悪くなっている可能性があります。血行不良は、毛根への栄養供給不足につながります。これらの頭皮トラブルは、それ自体が直接的な「はげ」の原因になるわけではありませんが、抜け毛を増やしたり、髪の成長を妨げたりして、薄毛を助長する要因となり得ます。頭皮からのSOSサインを見逃さず、適切なケアや、場合によっては皮膚科医への相談が必要です。